2018.11.19

地熱発電で未利用だった酸性熱水の活用を目指す技術開発2テーマを採択(産業技術総合開発機構)

地熱発電の写真

~利用可能な地熱資源の拡大を目指す~

NEDOは、地熱発電で未利用だった酸性熱水の活用を目指した2件の技術開発テーマを新たに採択しました。本事業では、発電設備への腐食などを理由に従来は未利用であった酸性熱水の活用に向けて、耐腐食性などを高めたタービン開発および酸性環境で使用可能な坑口装置の低コスト化に向けた技術開発に取り組みます。本取り組みを通じて、国内に存在する地熱資源量2,347万kWの最大30%程度と推定される酸性熱水を地熱発電として活用できるようにし、地熱発電の導入拡大を目指します。

1.概要

世界第3位となる地熱資源ポテンシャルを有する日本では、太陽光発電や風力発電とは異なり、安定した出力が得られることから、ベースロード電源として地熱発電に大きな期待がかかっています。2018年7月に閣議決定された「第5次エネルギー基本計画」においても、2030年までに地熱発電の導入見込量(地熱発電容量)として最大で約155万kWの導入拡大が掲げられています。

このような背景のもと、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)では、地熱発電の導入拡大を促進するため、2013年度より「地熱発電技術研究開発」を立ち上げ、小型バイナリー発電システム※1の開発や環境保全対策に関する技術を開発するなどの成果を上げてきました。

今般、NEDOは、2018年度第1回の公募において酸性熱水※2の活用を目指し採択した2テーマ(図の➀、➁)に加え、地熱発電設備への腐食性などを理由に従来は未利用であった酸性熱水の活用を目指した技術開発として、新たに2テーマ(図の➂、➃)を採択しました。具体的には、耐腐食性などを高めたタービンの開発および酸性環境で使用可能な坑口装置※3の低コスト化に向けた技術開発に取り組みます。本技術開発を2018年度から2020年度にかけて実施し、国内に存在する地熱資源量2,347万kWの最大30%程度と推定される酸性熱水を地熱資源として活用可能にすることで、地熱発電の導入拡大を目指します。

2.注釈

※1 バイナリー発電システム

地熱流体が150℃程度以下の中低温の場合、分離した蒸気では直接タービンを回すことができないため、低沸点媒体(水より沸点が低い媒体)と熱交換し、この媒体の蒸気でタービンを回す発電方法です。

※2 酸性熱水

通常の地熱発電で利用する熱水はpH6~8程度ですが、火山性ガスなどの作用により、pHが低い酸性の熱水が形成されます。従来は、地熱発電設備への腐食性などを理由に地熱発電への利用はされていません。

※3 坑口装置

掘削完了後の坑井の坑口に取り付けられる坑井の地上部分を制御するための装置です。