2018.11.16

機動性に優れた高効率ガスタービン複合発電の要素技術開発に着手(産業技術総合開発機構)

複合発電の共生イメージ

~再生可能エネルギーの安定的大量導入とCO2排出量削減の両立を目指す~

NEDOは、既存の火力発電設備の改造や更新向けに、再生可能エネルギーの出力変動に素早く対応する高効率ガスタービン複合発電の要素技術開発に着手します。本事業では、中核機器であるガスタービンの負荷変動対応について要素技術を確立し、実機に組み込むめどを付けることを目的とし、これを開発することで、天候によって出力が変動する太陽光発電や風力発電など再生可能エネルギーの安定的な大量導入とCO2排出量削減の両立を目指します。

1.概要

日本では、2030年に温室効果ガス2013年度比26%削減の目標が掲げられており、その達成に向けた手段の一つとして、再生可能エネルギー電源の増加が検討されています。2015年7月に経済産業省より公表された「長期エネルギー需給見通し※1」で示された2030年度の電源構成比では、太陽光発電が7%の発電電力量を占めることになります。

一方で、太陽光発電や風力発電の出力は天候による変動が大きいため、系統上で電力を安定供給するための工夫が必要不可欠です。例えば、急激な天候変動などによる大幅な出力変動に対応するには、需給調整や周波数調整などにガスタービン複合発電(GTCC)を用いることが有望視されていますが、現状では、起動時間が長い、出力調整速度が遅い、最低負荷※2が高いなどの課題があります。

そこで、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、既存の火力発電設備の改造(レトロフィット)や更新(リプレース)向けに、再生可能エネルギーの大幅な出力変動への対応や出力不調時のバックアップ電源の両機能を備え、広い範囲の負荷変動に応じて素早く対応する、機動性に優れた広負荷帯高効率GTCCの要素技術開発に着手します。本事業※3では、具体的には中核機器であるガスタービンの負荷応答性※4の向上、部分負荷効率※5の向上、最低負荷の低減など、負荷変動対応についての要素技術を確立し、実機に組み込むめどを付けることを目的とします。これを開発することで、天候によって出力が変動する太陽光発電や風力発電など再生可能エネルギーの安定的な大量導入とCO2排出量削減の両立を目指します。

2.注釈

※1 長期エネルギー需給見通し

エネルギー基本計画を踏まえ、安全性、安定供給、経済性および環境適合性について達成すべき目標を想定した上で、政策の基本的な方向性に基づいて施策を講じた際に実現され得る将来のエネルギー需給構造の見通しのことです(経済産業省が作成)。

※2 最低負荷

ガスタービンの運転領域のうち、出力が最も低い運転条件のことです。

※3 本事業

事業名:次世代火力発電等技術開発/次世代火力発電基盤技術開発/機動性に優れる広負荷帯高効率ガスタービン複合発電の要素研究

事業期間:2018~2021年度(4年間)

※4 負荷応答性

要求される発電量の急激な変化に対応して出力を変化させることができる性能のことです。

※5 部分負荷効率

定格より出力が低い状態におけるガスタービンの発電効率をいいます。